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判断基準を標準化し、採用確度を飛躍的に高める「構造化面接法」

優秀な人材との確実な出会いは、数値管理が鍵を握るで選考対象の母集団を大きくする必要性を説明しましたが、求職者・転職者をいかに多く募ることができても、選考に落ち度があればその好条件を生かすことはできません。とくに採用で問題になるのは面接官による評価のバラつき。これは面接官が自分の評価軸のみを基準に面接に当たることから来る弊害で、どうしても選考が恣意的になります。その点を改善するのが面接の標準化、つまり「構造化面接法」と呼ばれる手法です。

臨床心理学の心理査定法を応用した面接手法

一見、難解に感じますが、構造化面接法とは要するに「面接をマニュアル化し、候補者を見極めるためのプロセスを標準化すること」と言い換えられます。もともとは臨床心理学の分野で古くから用いられてきた心理査定法が原型で、決して新しい概念ではありません。要は、あらかじめ評価基準や質問項目を定めておいて、一定の手順に従って面接を行う手法のこと。臨床心理学が発祥だけに、対象の内的心情を把握するのに適しており、昨今では世界有数のIT企業などで採用され話題になっています。

候補者の能力、志向、誠実度まで正確に判断できる

しかし、構造化面接法は評価のバラつきを抑えるだけではありません。あらかじめ決めた面接マニュアルの中に「行動面接」や「状況面接」を取り入れることで能力や志向、誠実度まで正確に判断できます。たとえば行動面接の手法では、前職におけるプロジェクト参加で、対象となる求職者が「どのような組織」の「どのポジション」で「どのような課題」の下に仕事をし、その結果、どんな成果を得たのか、あるいはどのような失敗をしたのか、その失敗をどうリカバーしたのかといった「行動」を掘り下げることができます。

また、「もし、こんな状況ならどうするか?」というように架空の状況を課題として与え、それに対象者がどうか考え、行動するかを見極める「状況面接」にも有用です。

質問がシステマチックかつ非常に実用的なので、候補者をふるいにかけるような意地悪な質問をせずに済み、しかも、その解答から候補者の能力、判断力だけでなく能力の志向や仕事への誠実度まで推し量ることが可能。結果として、その企業の求めるもの、募集ポジションに必要な職能や資質を正しく見極めることができます。

マニュアル化することで想定質問、誘導質問のリスクを回避できる

従来の面接法ではさまざまな弊害が生じます。代表的なものが想定質問と誘導質問です。想定質問とは文字通り、志望理由を聞くものや入社したら何がしたいかを聞くといったステレオタイプな質問の類で、これでは自分をよく見せようと事前に周到な準備を行ってきた候補者のアピールに振り回されるだけです。

これに対し、誘導質問とは採用側の期待する答えが相手に伝わってしまう質問で、候補者はとにかく採用されるようその期待に沿った返答をしてしまいがち。想定質問も誘導質問も、相手の本音を引き出すには不向きで、評価や見極めも当然困難になります。

構造化面接法は前述のように、相手の行動志向や状況に対す判断能力を正確に把握するのに適しているだけでなく、想定質問や誘導質問と違って、終始、採用側のペースで面接を進められる手法です。

他の手法と併用するなどして柔軟に運用したい

さまざまな利点がある構造化面接法ですが、決して唯一の正解ではありません。あくまで、候補者の能力、資質を客観的に把握するための一手段です。これだけに頼り切るのではなく、別の手法と組み合わせ、相乗効果を狙うのが良いでしょう。

そうでないと、候補者からは「要はマニュアル人間を重視する会社なのでは?」と敬遠されることにもなりかねません。ハイクラス人材やエグゼクティブ人材の採用では、マニュアルの良い面を十分に活用しながら、候補者に合わせ面接や選考をより柔軟に行うことが重要です。

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