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海外の電力自由化から学ぶ ~アメリカの成功例と失敗例~

日本では2016年から電力の小売が自由化され、電力業界での経験がある人材、とくにスタートアップや管理といったエグゼクティブ・ハイクラスの人材が求められています。電力業界の採用動向については、「電力自由化で求められる人材とは」をご覧ください。

日本ではスタートしたばかりの電力自由化ですが、欧米諸国に目を向けるとアメリカやドイツでは20年ほど前から実施されています。そこで今後、日本の電力自由化を占ううえで知っておくべき、海外の電力自由化について迫っていきます。

電力自由化から20年以上、いまだに課題の多いアメリカ

アメリカでは1992年にエネルギー政策法が成立し、1990年代後半から州ごとに電力自由化が導入されました。1997年に部分的な電力自由化を開始したロードアイランド州を皮切りに、当初は24州とワシントンD.Cで電力自由化がスタート。しかし、さまざまな問題もあり、自由化をやめたり、自由化をしなかったりと、州によって状況は異なっています。

アメリカの失敗から学ぶ、カリフォルニア州の電力自由化

1998年に電力自由化に踏み切ったカリフォルニア州では、2000年夏から2001年にかけて「カリフォルニア電力危機」が起こりました。電力会社からの供給電力が安定せず、電力の卸売価格が最大で前年比10倍以上、小売価格は約2倍に上昇。さらに大規模停電が発生するなど大きな混乱を招きました。

そんなカリフォルニア州では、その後10年以上にわたって電力自由化を中断したという経緯があります。同様に電力の自由化を廃止・中断した州はカリフォルニアやネバダ、アリゾナ、ニューメキシコ、モンタナ、アーカンソー、バージニアなど数多くあります。

アメリカの成功から学ぶ、テキサス州の電力自由化

アメリカで電力自由化に成功しているのが、全米で最も電力消費量が多いとされるテキサス州です。2002年から電力自由化を実施していますが、150以上の小売業者が参入しており、商業および産業で70%、一般家庭で60%が新規電力会社に乗り換えたというデータもあります。

その要因として多くの小売業者が参加し、新規参入が活発だったことが挙げられます。また、既存電力会社に対して、発電・送配電・小売の法人分離を徹底したことも成功につながった理由でしょう。

アメリカの電力自由化、現在と未来

現在でも電力自由化は州の判断にゆだねられ、電力供給の不安も残っているアメリカですが、成功例と失敗例から市場競争と法律整備の重要性を知ることができます。また、アメリカ以外にもイギリスやフランスなどのEU諸国でも電力自由化が進められています。メリットばかりではなく、各国でさまざまな問題があることも事実です。日本でははじまったばかりの電力自由化ですが、それぞれの国から学ぶことが重要です。

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